本ドキュメントは、税務上の「研究開発税制(税額控除)」の適用を受けるための証明資料(研究開発報告書)のテンプレートおよびドラフトです。 期末(決算期)に、本内容とGitHubのコミット履歴、および docs/dev/ 配下の仕様書をセットにして保管することで、税務調査時の客観的な証明資料として活用できます。


1. 研究開発の目的と背景

  • 背景: 中小企業において、高額なERPパッケージの導入は困難であり、スプレッドシートベースの柔軟な管理が求められている。
  • 目的: Google Apps Script (GAS) とスプレッドシートをバックエンドとした、スケーラブルで堅牢な「モジュラーモノリス型」の独自会計エンジンを開発する。同時に、生成AI(Claude Code等)を自律的エージェントとして組み込んだ新しいソフトウェア開発パイプラインを確立する。

2. 技術的な課題(不確実性)

本プロジェクトでは、既存の技術やパッケージソフトでは解決できない以下の技術的課題(不確実性)が存在し、その解決のための試行錯誤を行った。

  • GASの制約突破: GASの実行時間制限(6分ルール)やスプレッドシートのデータ容量・読込速度の限界に対し、いかにして大量の仕訳データ(サブ元帳・総勘定元帳)を高速かつトランザクションセーフに処理するか。
  • AIエージェントとの協調開発: AIに複雑な会計ロジックやプロジェクト固有のディレクトリ構成(000_infra〜900_test)を正確に理解させ、ハルシネーション(誤ったコード生成)を防ぎながら自律的に実装させるためのプロンプト設計と仕様書フォーマットの確立。
  • OCRと名寄せの自動化: 領収書画像からGemini API等を用いて構造化データを抽出し、表記ゆれのある取引先名を独自アルゴリズム(論理略称の自動生成等)で高精度に名寄せ・突合する技術の確立。

3. 実施した試行錯誤(テスト・検証内容)

上記の課題を解決するため、以下の検証およびプロトタイプ開発を実施した。 (※詳細な作業履歴およびコードの変遷は、GitHubのコミット履歴および docs/dev/ 配下の各仕様書を参照)

  • AIエージェント向けの開発仕様書テンプレートの策定と、それを用いた実装精度の検証(Haiku/Sonnet/Opusのモデル別精度比較など)。
  • 取引先名の表記ゆれを吸収するための、正規表現を用いた法人格除去・論理略称生成アルゴリズムの設計とテスト(案件 MAS-154 等)。
  • 冪等性(何度実行しても結果が同じになる性質)を担保したデータマイグレーション手法の検証。
  • モジュラーモノリス・アーキテクチャに基づく、ドメイン駆動設計(DDD)を取り入れたGASコードの分割とリファクタリング検証。

4. 結果と今後の課題

  • 結果: AIエージェントが仕様書を読み込み、自律的にGASコードを生成・修正するパイプラインのプロトタイプが稼働した。また、スプレッドシートをDBとした会計エンジンの基礎アーキテクチャが確立できた。
  • 今後の課題: データ量増加に伴うクエリ最適化、およびAIエージェントの自律テスト実行機能の強化。

【付録】税務調査対策チェックリスト

  • 本報告書を最新の状況に合わせてアップデートしたか
  • GitHubのコミット履歴(またはIssue一覧)をエクスポート、またはいつでも閲覧できる状態にしているか
  • 役員報酬等を研究開発費に計上する場合、開発に費やした時間を合理的に説明できる集計表(スプレッドシート等)を作成しているか
  • docs/dev/ 配下の仕様書(AIへの指示書)が、試行錯誤の過程を示す一次資料として保存されているか