役割: DRP の機能要件(SR-)の正典。ゲート別に「何を見て、起案を止めるのか/助言だけか」を定義する。旧 README §7 ゲート早見表から抽出・正典化(strangler-fig Phase 1 / ADR-0117)。 ID 規約: id_conventions.md。各 SR の covers(→ BR)と verified-by(→ TC)は frontmatter が SSoT非機能要件(NFR-): 非機能要件定義書(Phase 2 で新設)。ユースケース一覧(UC-): 新設予定(文書カタログ参照)。

1. ゲート早見表

**「どのゲートが何を見て、起案を止めるのか/助言だけか」**の一覧。

SRゲート何を見るか(1 行)起案を止める?主な担当モデル
SR-001Gate 0 Triageそもそも ADR に残す価値があるか / 審査の厳しさ(Light・Standard・Critical)✅ 止める(不要なら終了)Gemini Flash
SR-012Gate 0a 受付プリゲート起案が分析として成立しているか(塊の混在・対症療法・行き先のない前提がないか)✅ 検出すれば差戻し一次 Gemini Flash → 二次 Claude Sonnet
SR-002Gate 1 盲点検出起案者が見落としている論点はないか❌ 助言のみ(PR に付記)Claude Sonnet(DA + PM → Judge)
SR-004Gate 4 Scoring50 点満点で品質を採点✅ 閾値未満は差戻しClaude Opus
SR-005Cross-Validation見つかった盲点が採点の前提を崩していないか✅ 崩していれば差戻し(※)Claude Opus
SR-006Gate 2 Consistency過去の決定と矛盾しないか✅ 矛盾は差戻しClaude Opus
SR-007Gate 3 並列レビュー3 社 AI で多角チェック❌ 助言のみ(PR に追記)Gemini Pro + Claude Opus + GPT o3

※ Cross-Validation は同じ盲点で堂々巡り(goalpost ループ)になったら自動で打ち切り、「残余リスク付き」で PR 化して人間の判断に委ねる(bounded rounds / 詳細は ADR-0109)。

番号(0→0a→1→4→CV→2→3)は実行順ではなく設計上のゲート番号。実際の実行順は README §アーキテクチャ の Sequence 図を参照。

2. 要件詳細

SR-001: 起案の記録価値判定と審査モード決定(Gate 0 Triage)

起案テキストを受け取り、(a) ADR として記録に値するかを判定し、値しない場合は理由を付して終了する。(b) 値する場合は審査モード(Light / Standard / Critical)を決定し、以降のゲートの閾値・必須節要求に反映する。誤って捨てる偽陰性はゼロを維持する(FN=0 ブロッキングゲート / golden eval)。

SR-012: 問題空間切り分けプリゲートによる分析破れの検出と差戻し(② 受付プリゲート / Gate 0a)

triage 通過直後・本文生成より前に、起案の生テキストが分析として成立しているかを検査する。D-3 発散検問 4 つ(塊の混在 / モレ・ダブり / 対症療法 / 宙に浮いた対応策)と前提の行き先解決を、2 段判定で検出する。一次 = 属性分岐シグナル(独立可逆性・判断ドライバー・承認者・撤退条件/KPI の分岐)の抽出、二次 = 主張グラフ(問い/案/論拠)への構造化分解 + 決定論的ルール判定(root の問いが 2 つ以上 ⇒ 塊複数、行き先のない前提 ⇒ fail)。判定根拠は起案文からの逐語引用を必須とし、引用の実在を機械照合する(幻覚防止)。temperature 0・厳格 JSON schema・プロンプトハッシュキャッシュで同一起案には同一判定を返す。FAIL は判定理由+逐語引用を telemetry に記録して差戻す(差戻し回数は CV と同じ bounded rounds 枠内)。graph 分岐で OFF 可能。本番稼働 2026-06-15(ADR-0142)。

SR-002: 盲点の検出と PR への付記(Gate 1 盲点検出)

起案者が見落としている論点を検出し、severity 付きで PR 本文の Blind-spot Report に表示する。差戻しには使わない(情報提供型 / ADR-0071)。同一原稿に対しては同一視点・同一盲点を返す(決定的選択 / 再現性)。

SR-003: 起案テキストの canonical ADR 構造への正規変換(本文生成)

起案者の生テキスト(H2 セクション形式)を canonical ADR 構造(§1.1〜§7 / テンプレート準拠)の本文に正規変換する。起案者に rendered ADR 構造での執筆を要求しない。

SR-004: 品質採点とモード別閾値による差戻し(Gate 4 Scoring)

ADR 本文を 50 点満点で採点し、モード別閾値(Light 35 / Standard 40 / Critical 45)未満は差戻す。採点のばらつきは N=5 Self-Consistency(同一プロンプト 5 回並列 → 多数決)で抑える(ADR-0056)。

SR-005: 盲点×Must 軸の整合検証と bounded rounds 終端(Cross-Validation)

Gate 1 の盲点 finding が Gate 4 採点の Must 軸前提を毀損(undermines)していないかを検証し、critical 盲点 × Must × undermines で差戻す。連続却下が goalpost(盲点の移動)または round-cap(既定 3)に達した場合は自動 reject せず PR を起票して人間判断へエスカレートする(残余リスク節 + HITL マーカー付与。人間の merge=受理 / close=却下が終端)。同一盲点の持続却下は reject を温存する(FN=0 / ADR-0109)。

SR-006: 過去決定との矛盾・上書き判定(Gate 2 Consistency)

既存 ADR 全件と照合し、Conflict / Supersede を判定する。Conflict 検出かつ起案に supersede 宣言がない場合は差戻す(過去の決定が黙って上書きされない)。

SR-007: 3 社 AI による多角レビューの PR 追記(Gate 3 並列レビュー)

Gemini Pro(ビジネスインパクト / アーキ整合性 / 長期負債リスク)+ Claude Opus(論理的一貫性 / 撤退条件の現実性)+ GPT o3(技術的実現可能性 / コスト試算 / 完了条件の検証可能性)で並列レビューし、結果を PR 本文に追記する。差戻しには使わない。単一プロバイダ障害時は残りのモデルで継続する。

SR-008: 会社固有方針との整合評価(Policy Alignment)

会社固有方針(優先順位・受容済みリスク)との整合を評価し PR に付記する(情報提供型)。

SR-009: 排他採番と Status: Proposed の PR 自動作成(人間承認が終端)

全差戻し型ゲートを通過した起案について、ADR 番号を排他制御付きで採番し、Status: Proposed の PR を自動作成する。Accepted / Superseded への遷移は代表取締役のみが実行できる(Branch Protection で強制)。

SR-010: 長時間審査の非同期実行と進捗可観測性

エッジ実行時間制限(Cloudflare 524 / 100s)を超える審査を非同期で完走させ、起案者がゲート単位の進捗を polling で取得できる。失敗時は自動リトライ(最大 3 回)の後 DLQ に隔離する(ADR-0066)。

SR-011: LLM 送信前の機密マスキング

すべての LLM 呼出は Gateway を経由し、送信前に機密情報(取引先名・金額・scriptId・OAuth)を除去する。マスキング不能時は送信せず失敗させる(fail-fast)。

3. テスト対応(verified-by の現状)

全 SR に verified-by 割当済(frontmatter が SSoT。マトリクスは CI 生成のみ・手書きしない)。各 TC の定義は test_cases.md(既存系列)と テスト設計書(TC-U / TC-G / TC-E / TC-MK 系列)。

留意点:

  • 機密マスキングの割当先は planned ケース(未実装)。実装は main 分担(テスト設計書 §2.4)。
  • ② 受付プリゲート(SR-012)の専用 TC を採番済み: 決定論ロジックは TC-U07(vitest・毎 PR)、差戻し精度・逐語照合は TC-G04(golden eval 36 ケース)。ただし TC-G04 の LLM 評価は CI 自動では走らず(promptfoo.yaml 無し)、人間が手動実行する(テスト設計書 §2.2)。本番 20 run の precision 70% 監視は引き続き運用側で担保する(ADR-0142 Confirmation)。
  • 旧問診時代の TC-S 系は盲点検出(ADR-0071)対応の改訂が backlog(テスト設計書 §4)。
  • 情報提供型ゲート(並列レビュー / Policy Alignment)は full-run e2e での存在検証が最低保証で、品質は実起案モニタリング。

変更履歴

日時変更
2026-06-04初版 — 旧 README §7 ゲート早見表(2026-06-04 時点 L97-113)を正典化し SR-001〜011 を採番(ADR-0117 Phase 1)
2026-06-05verified-by 未割当(SR-003 / 005 / 007〜011)を解消 — TC-U / TC-G / TC-E / TC-MK 系列を割当。NFR 定義書へのリンク追加(ADR-0117 Phase 2)
2026-06-16SR-012(② 受付プリゲート / Gate 0a・ADR-0142)を追加 — 本番稼働 2026-06-15 を反映。専用 TC は test_design 整備で追加予定(当面 TC-E03 で存在検証)
2026-06-18SR-012 の verified-by を暫定の TC-E03 から専用 TC(TC-U07 決定論 / TC-G04 golden eval)へ更新。§3 留意点の「test_design 整備で追加予定」を解消(ADR-0142)