日本語で ADR を学ぶ/運用するための情報源を一覧化したもの。2026-06-08 に Web 調査して収集。
前提: 調べた範囲では ADR 専門の日本語書籍・専門コミュニティは無い。ADR はアーキテクチャ書籍の一部として扱われ、運用ノウハウは各社の技術ブログが一次情報。グローバル標準(MADR / Nygard / adr.github.io)を各社が日本語で噛み砕く構図。
リンクは収集時点のもの。URL は時間で陳腐化しうる。
推薦図書(読む順・概念対応つき)
ADR 専門書は無い。ADR は「アーキテクチャ決定の規律」の一部なので、その文脈ごと理解できる本を読む順で挙げる。
まず 1 冊(ADR を文脈付きで)
| 書籍 | 著者/訳者 | なぜ |
|---|
| ソフトウェアアーキテクチャの基礎(第2版) | Mark Richards & Neal Ford・オライリー | ADR 専用の章がある。「なぜ記録するか・何を書くか」を体系の中で学べる ADR 理解の最短路 |
実践の入門
当プロジェクトの概念の "出自" を知る
| 書籍 | 著者 | 対応する当プロジェクトの概念 |
|---|
| 進化的アーキテクチャ | Neal Ford 他・オライリー | フィットネス関数 = うちの ADR の Confirmation(決定が守られているか継続検証する仕掛け)の原典 |
| ソフトウェアアーキテクチャ・ハードパーツ | Richards & Ford・オライリー | トレードオフ分析 = うちの **判断基準(WSM 重み付き採点・K.O. 基準)**の考え方 |
無料の原典(本より先に読んでよい)
- Michael Nygard「Documenting Architecture Decisions」(2011) — ADR 発祥のブログ。全ての出発点。
- adr.github.io — テンプレ・ツール・慣行のハブ。
- MADR(Markdown ADR) — 実際に使うテンプレ標準。
- arc42 — うちの判断基準(Q42 9 タグ)・決定ドライバーの出自。
(任意)決定の質を上げる周辺
- 『How to Measure Anything』 Douglas Hubbard — 「測れないものを測る」。うちの撤退条件・Confirmation で 数値必須にしている思想の背景。
- 『Thinking in Systems』 Donella Meadows — システム思考。影響範囲・長期影響を読む力。
読む順
- Nygard ブログ + adr.github.io(無料・30分)で全体像
- ソフトウェアアーキテクチャの基礎(ADR を文脈ごと)
- Design It!(手を動かす)
- 進化的アーキテクチャ(= Confirmation の出自)/ ハードパーツ(= 判断基準の出自)
用語対応: Confirmation = フィットネス関数(進化的アーキテクチャ)/ 判断基準・WSM = トレードオフ分析(ハードパーツ)/ 決定ドライバー = arc42 / ADR 形式 = Nygard・MADR。この対応を意識すると「なぜうちの ADR がこの形か」が繋がる。
企業の導入・運用事例(技術ブログ)— 最も充実
運用の生々しいノウハウ(軽量化・管理方法・記載観点)はここが一次情報。
入門・解説記事
公式/ハンドブック系(日本語)
まとめ所感
- 日本語圏は「企業の運用事例ブログ」が非常に厚い(2022〜2025 で各社が導入記を公開)。
- 専門書籍・専門コミュニティは無く、書籍はオライリー系アーキ本の一部 + グローバル標準(MADR/Nygard)を各社が日本語で噛み砕く構図。
- 運用の実務ノウハウ(軽量化・GitHub Discussions 管理・記載観点)は事例ブログが一次情報。
- グローバル標準の出典は adr.github.io / MADR / Nygard 原典(英語)。